銀行員のキャリアプラン

銀行員になったら、一度は一国一城の主である支店長になりたいと思うのが人情です。
総合職として入行した銀行員はヒラから支店長代理、課長、次長へと昇進し、最終的には支店長になることがゴールです。
しかし、誰もが支店長になれるわけではありません。支店長の年齢幅は40歳くらいから50代前半です。
そこまで銀行に残っていること自体がが大変なのですが、その年代の残った同期の中で支店長経験者の割合は、高くても4割程度でしょう。これは総合職でみた場合ですので、一般職を入れて考えれば、支店長到達比率は20%程度でしょう。
総合職の課長になると先がみえてきます。
支店長代理や課長に昇進する年齢が遅い人はその先どこまで昇進できるかだいたい予測できるので、銀行に見切りをつけて関連会社に出向・転籍したり、取引先に転職したりしていきます。
次に支店長になる課長は法人を担当する融資課や渉外課の課長であることが多いようです。
最終的には支店長になることがゴールですが、小さな店舗、大きな店舗と経験した先は役員しかないので、役員になれない支店長はやはり出向・転籍・退職していくことになります。

銀行の人材育成とは?

銀行の人材育成の特徴の1つが研修制度・バックアップ体制の充実です。
各銀行とも、行員の研修・教育膨大な予算と労力を投入しており、銀行員は常に勉強の日々が続きます。
また、専門知識を習得するため、資格取得を重視しています。
主なものに、

  • 中小企業の経営診断や指導を行う〔中小企業診断士
  • 企業年金の掛け金率の算定や年金の制度設計を行う〔アクチュアリー(年金コース)
  • 企業の財務分析や経済動向を予測する〔証券アナリスト
  • 担保物件の鑑定・評価を行う〔不動産鑑定士
  • 複雑な会計処理や財務、監査の知識を認定する資格〔公認会計士
  • 金融商品を取引する業務に必須となる〔証券外務員

など、業務に関連した資格もあります。
銀行が扱う金融機能は幅広く、新しい金融商品も次々と生まれています。
銀行員には、これらの商品知識を身につけるとともに、金融のプロとして知識を磨き続ける努力が求められています。
高給取りで華々しいイメージを抱いている方も多いと思いますが、銀行員は毎日が勉強です。
学ぶことが好きな方には刺激的な業界と言えます。

銀行の渉外係の仕事とは?

渉外係は銀行によっては得意先係とも呼ばれ、法人営業やリテール営業、エリア担当などに分かれます。得意先との人間関係や取り扱う金融商品の知識など、銀行員として働くための基本が勉強できます。
金融商品の営業では、渉外係の力が反映されます。
渉外係の最大の使命は、企業を訪問し、経営者や財務・経理担当者から融資ニーズを聞き出して、融資実行まで終了させることです。
特に現在取引のない法人企業の開拓活動は、
毎月のノルマの中で一番の厳しさがあり、日々の渉外係の魅力や努力が成果に反映され易く、渉外能力の見せ所となります。

銀行員の瓦版 金を貸すと、しばしば金と友を一緒に失う❗

シェークスピアの四大悲劇の一つ(ハムレット)の中で出てくる言葉です。
一人立ちして社会に出ていく息子に、友人と円滑な友好関係を結ぶためには金の扱い方に注意しなければいけない、と助言しました。
友人に金を貸すと、貸した当初はよくても、支払いが滞ってくると双方にとって悲惨な事態となる。その金のせいで仲の良かった友人とも不仲となり、友情を失うことになりかねない。金の貸し借りは不和のもとになります。
〔ハムレット〕の中には〔僕は金よりも友を失いたくないからね〕というセリフもあります。

銀行員は、なぜ転勤があるのか?

銀行員は最初の配属店舗で預金窓口、為替窓口、融資窓口、渉外係などの業務を順番に経験すると、3年前後で転勤します。
転勤先は本部、商業地域の支店、住宅地の支店、法人中心の支店、リテール中心の支店など、規模やタイプの異なる支店間をローテーションで経験します。メガバンクなら転勤先は全国にありますし、地方銀行でも転居を伴う転勤はゼロではありません。管理者は店舗全体を管理・運営することです。銀行の業務全体を把握し、迅速かつ適切に問題に対処する能力が求められます。そのため銀行員は、若い頃から異動や転勤を繰り返し、ゼネラリストに必要な幅広い部門・職種の経験を積んでいます。
ゼネラリスト育成に加え、転勤を繰り返すもう1つの理由が(不正防止)です。特定の顧客と長期的に取引することで、金融犯罪、たとえば不正融資や横領などが起きやすくなります。犯罪を未然に防ぐため、一定期間で転勤を命じるのです。
転勤は新しい環境で、新しい仲間や顧客と仕事をすることになります。新しい顧客や仲間と一から人間関係を築かなければならない難しさや厳しさはあります。しかし、それ以上に人脈や視野が広がる楽しさ、経験値が上がっていく手応えがあります。数多くの転勤・異動が、銀行員としての成長に欠かせない経験なのです。

M&AとTOBとは

M&Aとは

M&Aとは、企業の合併や買収の総称であり、英語のMergers and Acquisitionsの略です。
企業の買収や合併は国際的にも年々増加傾向にあります。
企業の買収の目的は様々ですが、主な目的としては規模の拡大などを通じての国内外における国際競争力の強化や海外の企業を買収することによって海外進出を容易にすることなどがあげられます。
買収の規模も拡大傾向となっており、欧米などでは大規模なM&Aが頻繁に行われています。

TOBとは

TOBとはTake Over Bidの略で株式公開買付のことです。
すなわち、ある企業の株式を大量に取得したい場合に、新聞広告などを使って一定の価格で一定の期間に一定の株数を買い取ることを表明し、不特定多数の株主から一挙に株式を取得する方法のことなのです。
証券取引所上場企業や、未上場でも有価証券報告書の提出が義務付けられている株式会社の株を、市場外で5%以上買う場合には原則としてTOBで買い付ける必要があります。
また、市場外で株式買取後の議決権が全体の3分の1以上になる場合には、TOBが強制的に適用されます。
実施に際しては、条件の新聞への広告や、財務局への届出の手続きが必要となり、TOBの実施中はこの方法以外で当該株を購入することはできません。

アダム・スミスの〔見えざる手〕とは

イギリスの哲学者であり経済学者でもあったアダム・スミスの著書(国富論)の中に書かれている〔見えざる手〕という言葉は、本の中でわずか1回しか使われていないにも関わらず、有名な言葉として今に伝わっています。
〔見えざる手〕の意味するところは、(利己的に行動する人々が市場において自由競争をおこなえば、自然と需要と供給は収束に向かうことで、経済的均衡が実現され、社会的安定がもたらされる)というものです。
利己的に行動する人々というのは、自己の資本を使って最大の利益をあげようとする投資家や資本家のことを示しています。
資本家は自分の利益だけを追及して行こなおうとしますが、結果としては〔見えざる手〕に導かれることによって、自分の思いもかけぬ目的、つまり社会全体の利益を達成することになるというものです。

不動産投資ファンド(J-REIT)とは

英語のReal Eatate Investment Trustの頭文字をとって〔REIT(リート)〕と呼んでいます。
欧米では、REITはすでに一般的な金融商品となって取引所にも上場され、個人投資家も多数投資しています。日本では2000年11月に〔投資信託及び投資法人に関する法律〕が施行され、REITの組成が可能となりました。日本版の不動産投資信託ということで〔J-REIT〕と呼ばれています。金融商品取引法が適用されます。
〔J-REIT〕は、不動産投資の専門家が投資家の資金をまとめて、複数のオフィスビルなどの収益物件に分散投資し、そこから得られる賃料収入、売却益などを投資家に分配する商品です。証券化によって売買しやすくなりましたが、長期保有が基本とされます。
J-REITの魅力として
配当利回り
配当の安定性
インフレヘッジ性
分散投資効果
流動性など
J-REITのリスクは
元本および分配金などが保証されていません。リートの価格は、財産として保有する不動産等の評価額の変動や資産の入れ替えによる運用成果により、大きく変動する可能性があります。それは市場の需給状況や不動産市況の見込みなど、さまざまな要因によって変動します。また分配金も原資となる不動産の賃貸収入などにより変動します。
リートが財産として保有する建物は、自然災害などの予測不可能な偶発事象により滅失・損傷または劣化する可能性があることを認識しておかねばなりません。
投資信託は、一般的に、ファンドが法人格を持っていない契約型投資信託と、資産運用目的で設立された会社形式をとる会社型投資信託に大別されます。J-REITは、会社型投資信託です。会社型では、投資法人が投資証券を発行する形で投資家から資金を募っています。

商品ファンドとは

商品ファンドは、投資家から集めた資金を貴金属や農産物、原油などの商品先物や通貨、金利、債券などの金融先物などの幅広い商品に分散運用し、その収益を投資家に分配する実績配当型の金融商品です。いわゆる、(モノ)の投資信託です。
〔商品ファンド〕は、監督官庁が経済産業省と農林水産省、金融庁の共管になっています。その取扱いは、商品ファンド法に基づく(商品投資販売業)の許可を受けたリース会社や商社、商品取引会社が販売しているほか、証券会社や銀行でも可能です。
商品ファンドの種類として、
元本確保型=満期償還時に元本確保されるように工夫されたファンドです。
一部元本確保型=満期償還時に確保される資金を全体の一定割合として、少しでも多くの資金を積極運用にあてられるようにしたファンドです。
積極運用型=元本確保のために必要な資金の制約や費用、リスク回避のためのコストを無くし、先物取引等に積極投資するファンドです。先物取引の高い運用効率がこの積極運用型に一番反映されます。この積極運用型ではもちろん高い収益を挙げられる反面、大きな損失を出す可能性も十分考えられますので、運用業者には細心のリスク管理能力が要求されます。

見せ玉とは?

〔見せ玉〕とは法律で禁じられている相場操縦の方法の一つで、売買するつもりのない株式に注文を出して株価を不正に上下動させる売買注文のことです。
たとえば、ある株式を購入したうえで、その株式に大量の買い注文を出し、他の投資家に(好材料がある)と錯覚させて買い注文が膨らんで値上がりした後、買い注文を取り消し、あらかじめ買っておいた株を高値で売却して、利益を得るような売買のことです。
注文の取り消しを行うことがすべて違法行為となるわけではありませんが、大量の注文発注・取り消しには注意が必要です。
見せ玉行為により市場の株価が不当に影響を受けるので、金融商品取引法によって規制されています。
〔見せ玉〕規制の強化として
見せ玉は相場操縦の一つで刑罰の対象です。
見せ玉は売買が成立した取引に課徴金が課せられていましたが、新たに取引を申し込んだ場合にも課徴金が課せられます。
証券会社が自己の売買で(見せ玉)の申し込み行為を行うことについて、これを禁止し、刑罰および課徴金の対象となります。