銀行の人事制度は、資格と肩書によって成り立っており、それに連動して賃金も決まっていきます。
以前は年功序列の時代が長く続きましたが、金融不況でリストラの嵐が吹いた以降は、業績の良し悪しによって賃金を決める銀行が大半です。資格が上がれば肩書も挙がる時代は終わっています。ただ、30歳代後半から40歳代前半の働き盛りの時代が出世レースの勝負の時期というのは、他の業種と同じでしょう。この時期の業績、人望などの総合的な判断で、その後の銀行員人生が決まるといっても過言ではありません。
銀行が目指す人事制度は、できる行員が正当に評価され、適切に登用される仕組みの構築であり、給与額も年功より(どんな仕事をしているか)、(どんな成果を挙げたか)に重点を置いて算出するような制度に変更する。中には旧制度と比較し年収が大きく前後する行員も出てきますが、裏を返せば職務内容に応じて給与が下がる行員も出てくるということです。まさに実力主義への軸足変更となっていきます。
また、給与体系もこれまでの毎月の給与と賞与を支払う時代から年俸制に移行し、家族手当や住宅手当などの(手当て)を廃止するケースが多くなりました。年俸制では、次年度の業績目標を自らが提示し、その達成度合いによって金額が決まります。どれだけ稼いだか、どれだけ銀行に貢献したかが問われます。40歳代に入ると、同期の行員の中でも数百万円の年収の開きが出てくることもあります。